Vampire Crawlers のダメージ計算式を読み解く¶
Vampire Crawlers のダメージは、1つの括弧と3つの倍率で決まる。括弧は CardDamage + CardDamage×Combo + BaseDamage×Amount。そこに Might、Area、ダメージジェムが掛かる。全部書くとこうなる。
Damage = (CardDamage + CardDamage×Combo + BaseDamage×Amount) × (1+Might) × (1+Area/5) × gem1 × gem2
ここからすぐに2つの帰結が出る。Amount はカードのダメージに掛かる倍率ではない。 カードの1発あたりのダメージを、1ポイントごとに、Combo と同じ括弧の内側で足す。そして Might と Area は別々の倍率なので、同じ枠を取り合うのではなく、互いに、そして Combo とも掛け合わさる。
この式が表すのは通常ヒットだ。Knife などが振る Crit はこの上に乗り、括弧には入らない。
+2 Amount でどんなカードのダメージも3倍になるとガイドが言うなら、それは単発カードをコンボ0で見ていただけだ。Knife なら、同じ +2 Amount は16ダメージを足す。理由は以下で全部書く。
各項の正体¶
式は4つの入力と2つのジェム枠を使う。3つには上限があり、ビルド指南が間違えるのはたいていこの上限のところだ。
| 項 | 出どころ | 上限 |
|---|---|---|
| CardDamage | 戦闘外のときに攻撃カードに印字されている数値 | なし |
| Combo | 連鎖中に右下に出る倍率。XXコンボはカードをXX回多くプレイした扱い | なし |
| BaseDamage | カードの1発あたりダメージ。wiki のカードページには載るがカード面には出ない | なし |
| Amount | Amount ステータスで増える弾数 | 50 |
| Might | Power Up、カード、Crawler 効果による +% ダメージ | 1,000% |
| Area | 範囲ステータス。Area 5%ごとに前方の全敵へのダメージが +1% | 1,000% |
| gem1, gem2 | Double Damage(×2)と Triple Damage(×3)。掛け算で重なる | なし |
この表で一度立ち止まりたい行が2つある。CardDamage はカード自身の弾数を含んでいる。Knife が40と出るのは、8ダメージのナイフを5本撃つからだ。BaseDamage は40ではなく8のほう。Amount は0から始まるので、括弧は40で開き、最初の5本のナイフに二重払いは発生しない。括弧が BaseDamage×Amount と言うとき、それは追加のナイフ1本ごとにナイフ1本分の数を払っているのであって、カードの見出しの数字を払っているわけではない。
Area の行も罠だ。Area は%で書かれているのに式では5で割る。つまり Area 5%でダメージ1%を買っている。上限の1,000%でも得られるのは×3で、×11ではない。
3つの倍率を、得られる順に並べる¶
| 出どころ | 掛かる倍率 | 最良の場合 |
|---|---|---|
| Might | (1 + Might)。つまり Might +100% で全体が2倍 | 上限1,000%で×11 |
| Area | (1 + Area/5)。つまり Area +100% でも×1.2 | 上限1,000%で×3 |
| Double Damage ジェム | 挿したカードに×2 | ×2 |
| Triple Damage ジェム | 挿したカードに×3 | ×3 |
| Triple Damage 2個 | 掛け算なので 3 × 3 | ×9 |
Might だけが、プレイヤーがダメージステータスに期待する通りの働きをする。1ポイント入れれば倍率が1ポイント上がる。Area はダメージだけを見ると1ポイントあたり5分の1の弱さで、倍率は本物だが伸びは遅い。追加の価値は当たり判定の大きさにある。弾が大きくなれば、そもそも当たる確率が上がる。式はそれを測っていない。
計算例:同じ Knife を4つのビルドで¶
Knife は CardDamage 40、BaseDamage 8、Amount は0から始まる。連鎖の途中、Combo 10 で Amount に5ポイント、つまりナイフ5本分を入れたヒットを考える。
Combo term: 40×10 = 400
Amount term: 8×5 = 40
Bracket: 40 + 400 + 40 = 480
カードとコンボを固定して、ステータスだけ変えてみる。
| ビルド | 括弧 | Might | Area | ダメージ |
|---|---|---|---|---|
| ステータス投資なし | 480 | ×1 | ×1 | 480 |
| Might +100% | 480 | ×2 | ×1 | 960 |
| Area +100% | 480 | ×1 | ×1.2 | 576 |
| Might +100% と Area +100% | 480 | ×2 | ×1.2 | 1152 |
2行目と3行目が、この表の主張そのものだ。同じ「+100%」が、Might では +480 ダメージ、Area では +96 ダメージになる。カード枠1つと Power Up 1回分をどこに使うかで迷うなら、Might は接戦ですらない。
計算例:wiki 自身の上限ケース¶
公式 wiki には完全な例が1つ載っている。ランの終盤で倍率がどう重なるかが分かるので、追いかける価値がある。Knife、Combo 25、BaseDamage 8、Amount は上限の50、Might 1,000%、Area 1,000%、Triple Damage ジェム2個。
Combo term: 40×25 = 1000
Amount term: 8×50 = 400
Bracket: 40 + 1000 + 400 = 1440
Might: 1440 × 11 = 15840
Area: 15840 × 3 = 47520
Gems: 47520 × 9 = 427680
1枚のカードから 427,680 ダメージ。どこから来ているかを見てほしい。括弧は 1,440 を出し、倍率がそれを6桁に変える。ラン中ずっと Amount を追いかけたプレイヤーは、Might ×1、Area ×1 で 40 + 1000 + 400 に到達し、1,440 を叩くだけだ。
Amount が最初のステータスにならない理由¶
Combo 10 では、Knife の Combo を1ポイント足すと括弧に40ダメージが乗る。Amount を1ポイント足すと8だ。この比率は Knife の弾数に見え、Knife では実際にそのとおりだ。カードに 40 と刷られているのは、8ダメージのナイフを5本撃つからだ。この同一性が成り立つのは Knife と Fire Wand までで、そこで止まる。Holy Wand は 160 と刷られているが 10 ダメージを15発(掛ければ150)、Thousand Edge は 200 と刷られているが 20 ダメージを9発(掛ければ180)、Phieraggi は 350 と刷られているが 5 ダメージを72発(掛ければ360)だ。この3枚は表記が BaseDamage × 弾数 になっていないので、表記を見ても Amount の取り分は分からない。
| カード | CardDamage | BaseDamage | 基本弾数 | +1 Combo | +1 Amount |
|---|---|---|---|---|---|
| Knife | 40 | 8 | 5 | +40 | +8 |
| Fire Wand | 45 | 15 | 3 | +45 | +15 |
Fire Wand は Amount 1ポイントから Knife のほぼ2倍を得るが、それでも Combo には3倍差で負ける。ただし、このきれいな割り算が成り立つのは、この2枚がたまたま掛け算どおりだからだ。一般則はもっと狭い。Amount 1ポイントの価値は常に BaseDamage、つまりカードの1発あたりの数値で、CardDamage ÷ 弾数 と等しくなるのは表記がちょうどその積になっているときだけだ。Holy Wand、Thousand Edge、Phieraggi はいずれも積とは違う数字を刷っているので、表記を弾数で割ると Amount の取り分を読み違える。多弾カードに Amount が向かないのは今も変わらない。ただ、その理由がこのきれいな比率ではないだけだ。
構造的な理由ももう1つある。Amount と Combo は同じ括弧の中にいるので、Amount を押し上げる倍率はすべて Combo も同じ割合で押し上げる。Amount は追いつかず、並走するだけだ。wiki もそう書いている。Amount はコンボ倍率が低いうちに取る価値があり、コンボが積み上がるほど価値が落ちる。
Amount が枠を得る場面は3つある。
- 連鎖の最初のカード。 いつも Combo 10 から始められるわけではない。1枚目は Combo 0 で、括弧は
CardDamage + BaseDamage×Amountだけになり、Amount の取り分が大きくなる。Amount 5 の Knife は 40 + 40 = 80 で開き、Amount なしなら40だ。 - 弾数の少ないカード。 Fire Wand は3発なので1ポイント15ダメージ。表記が BaseDamage と一致するカード、つまり本当の単発カードなら、1ポイントで表記の全額が乗る。
- ダメージを集中させず撒くデッキ。 式が計算するのは1ヒットあたりのダメージだ。弾が増えれば別の的へのヒットも増える。画面に出る数字ではないが、盤面全体の総計は現実だ。
Amount にできないのは、Might の購入に勝つことだ。Might は Amount が立っている括弧そのものを掛け、同時に Combo の貢献も掛ける。
Armor:式が落としている項¶
ここまではすべて、Armor を適用する前のダメージだ。敵ページには最大 Armor の値があり、Armor はたいてい、ウェーブを消せるカードと、同じカードがボス1体で止まるかどうかを分ける差になる。ただし、ゲームがその数値で何をしているかは公開情報なし(not documented)だ。ここで使った資料のどれも軽減式を公開しておらず、wiki のダメージページには Armor の項すらない。この節の残りは計算ではなく、作業仮説の説明だ。
| 敵 | HP | 最大 Armor |
|---|---|---|
| MasterWitchElite | 5,500 | 550 |
| LostTwinElite | 10,000 | 666 |
| DeepCrabElite | 66,000 | 1,000 |
作業仮説はこうだ。Armor はヒットごとに引かれる。するとダメージを多数の弾に分けるカードは何度も払い、重い一撃は1回で済む。この仮説では、多ヒットカードは高い Armor 値でずっと不利になる。1発が小さく、大きな定数軽減に丸ごと飲まれうるからだ。同じ合計を一撃で届ければ、軽減を払うのは1回だけ。プレイヤーが Inlaid Library と Dairy Plant で語る崖がこれで、遅くて重いカードが、速いカードの止まる場所でも効き続ける理由でもある。
ただし、どれも確認されていない。wiki は軽減式を公開しておらず、ダメージページに Armor の項もない。1ヒットが0まで減るのか、何らかの下限で止まるのかも公開情報なし(not documented)だ。安全なのは定性的な結論だけだ。カードがヒットを分けるほど、Armor を払う危険が増える。だから多ヒットカードは高 Armor のボスで失速する。その背後の正確な数字を、このページが渡すことはできない。
ダメージが低く感じる理由¶
Armor は、特定のボスに対してだけ力を出せないカードを説明する。カードに書かれた数字と、期待する数字の間の残りの差は、Amount に関する3つの通説から来る。
Amount は1ポイントにつき CardDamage ではなく BaseDamage を足す。 単発カードではこの2つが等しいので、よくある例は成立する。30ダメージのカードに +2 Amount なら90で終わる。30の弾が2発増えて60を足すからだ。同じ +2 Amount を Knife でやると、括弧は40から56に動く。ナイフ1本は8だからだ。
伸びは線形だ。 どのポイントも同じ BaseDamage を足す。1ポイント目から50ポイント目まで同じで、カードによって変わるのはこの定数の大きさだけだ。単発カードは印字ダメージの100%を1ポイントで得るが、Knife は40のうち8、つまり20%だ。
「最大の倍率」は、単発カードのコンボ0でしか成り立たない。 Magic Wand のコンボ0では、+1 Amount は100%の跳ね上がりだ。Knife の Combo 10 では、+1 Amount は480の括弧に8を足すだけで2%未満、+1 Combo は40を足す。
どれも Amount をダメなステータスにはしない。状況次第のステータスなのに、万能として売られてきたのが問題で、ラストのショップで Duplicator と Spinach が並んだときに、この違いが効いてくる。ステータスの一覧、上限、一時と永続の分け方はステータス解説にある。
上限と、それがビルドに意味するもの¶
Amount は50、Might は1,000%、Area は1,000% で止まる。3つの上限はすべて1戦闘内で適用され、%の2つは戦闘が終わるとリセットされる。そのため、Might ビルドはフロアごとに取り直しになる一方で、Growth や Greed のビルドは持ち越せる。
Might の上限に届かせるには1,000%必要だ。Might の Power Up は5段階で100%なので、残り900%はカード、Crawler 効果、ジェム、Arcana から出す。Area の上限も1,000%だが、その上限の価値は×3しかなく、Power Up 版は850ゴールドで +50% が天井だ。この費用対効果が、Area がほとんどの購入順で下位に置かれる理由であり、Area ビルドがまずカバレッジの選択で、ダメージの選択は二の次になる理由だ。
出典¶
- Vampire Survivors Wiki: Crawlers:Damage:計算式、上限、427,680 の例
- Crawlers:Amount、Crawlers:Might、Crawlers:Area:ステータスの上限と Power Up の数値
- Crawlers:Knife と Crawlers:Fire Wand:CardDamage、基本 Amount、1発あたりダメージ
- Crawlers:Combo:コンボ倍率が何を数えるか、どのステータスを受けるか
- Crawlers:Double Damage と Crawlers:Triple Damage:ジェムの倍率